NFT

NFTアートはどう宣伝すべきか?7つの効果的な宣伝方法

どんなに良いNFTアートを制作したとしても、宣伝しなければ世間に知られることはない。そして悲しいことに、宣伝したからといって必ずしも売れるわけではない。そのNFTアートの特性やターゲットに合った、効果的な宣伝を考える必要がある。

NFTアートが売れない……と嘆く前に、宣伝方法を見直してみてはいかがだろうか。この記事では、NFTアートの宣伝方法について詳しく紹介する。

宣伝の前に考えるべき、あなたのNFTアートが売れない理由

なぜNFTアートが売れないのか。考えずに放置してしまっている人は意外にも多い。

放っておけば売れるだろうなどと甘い考えでいては、日々新たに作られる有象無象のNFTアートに埋もれて、忘れられてしまうだろう。

そうならないために、まずはNFTアートがなぜ売れないのかを考えてみよう。

作品が魅力的ではない

どんなに効果的に宣伝しても、作品そのものに魅力的でなければ購入してもらえない。実にシンプルな理屈だ。魅力のないNFTアートを、人はわざわざ買おうと思わないのだ。

魅力的なNFTアートを作るのは、宣伝よりも難しい。というより、宣伝も見据えたうえで「何」を「どのように」見せるかが重要になる。創作行為そのものが自己をどのように見せるのかを決定付けるブランディングの要素をはらんでいるのだ。

とはいえ、専門家ではないのでここで創作論を披露するつもりはない。一つだけ、誰でも魅力的なNFTアートを制作できる方法をお伝えしておくと、ひたすら先行作品を研究することだ。

ウケている作品はなぜウケているのか。そのまま真似るのではなく「どのような理由で人気があるのか」を分析し、構造を真似る。これだけでもNFTアートの質は格段に上がるであろう。

類似の作品が多い

NFTアートを投稿した途端、なぜか類似作品がマーケットプレイス内に溢れる場合がある。これはNFTアートの界隈のみならず小説やイラストの投稿サイト、果ては興行映画にもよくある現象だ。

例えば1998年に公開された2つの映画『アルマゲドン』と『ディープインパクト』は、いずれも「彗星が地球へ衝突する」内容のSF作品であり、類似点も多い。同時期に公開されたということは、制作期間もある程度被っていたであろうことが予想される。どちらかがどちらかを真似たとは考えられない。

クリエイターは世間の流行や、世の中の流れを作品に反映させる場合がある。意図せずそうなってしまうケースも多い。自然に同じ方向を向き、同じような作品を産んでしまうのは致し方ないであろう。

誰にも真似できないNFTアートを作りたければ、人と同じインプットから人とは異なるアウトプットを行う必要がある。

そもそも市場が飽和状態にある

NFTアートの業界には著名なイラストレーターや画家、そして数多のセミプロ・アマチュアクリエイターたちが進出している。既に市場自体が飽和状態にあるといってもいい。

トップアーティストの作品すら、売り切れになることは少ない。このことは実際にNFTアートが売られているマーケットプレイスにアクセスすると一目瞭然だ。

つまり、NFTアートはそもそも売れにくい。競合が多く、需要が分散され、買い手に対して売り手が多い、というのが現状なのだ。

そのような状況下でもNFTアートを売って収益を上げているクリエイターもいる。彼らは何に力を入れているのか。洗練された作品を制作することももちろんだが、宣伝による効果も大いに関係している。PR・宣伝とNFTアートは切り離せない関係にあるのだ。

NFTアートを売るための宣伝方法【7選】

NFTアートが売れない原因の多くは宣伝、要するに広報能力の欠如に原因がある。

いつの時代も物を売るのは困難である。商品知識はもとより、マーケティングの知識、巧みなセールストーク、ときには時代に逆らって挑戦する勇気も必要だ。NFTアートを売るのにも、そうしたスキルは間違いなく必要になるであろう。

では、NFTアートを販売するのは、そのような能力に長けた広報の専門家でなければ不可能なのだろうか。答えはノー。いくつかの方法を知っているだけで効果的な宣伝を打ち出すことができる。

ここからは、NFTアートを売るための効果的な宣伝方法を紹介する。

SNSなどによる露出

テレビコマーシャルや電車の中吊り広告など、商品を売る際にはさまざまな宣伝手段がある。もっとも身近であり、なおかつ誰にでもすぐ始められるのがSNSである。

アーティストとしてアカウントを運用し、定期的に発信していればファンがつくようになる。そこからNFTアートの購入につながる可能性は十分あり得る。もしNFTアートをより多くの人に届けたいのであれば、積極的に情報を発信して露出を増やすべきだ。

もちろん、ただX(Twitter)やInstagramなどのSNSを運用すれば良いわけではない。SNSは発信するメディアだ。そこでは「誰に向けた発信であるか」が非常に重要である。

闇雲に作品を投稿する前に、まずは自分が制作しているNFTアートとニーズが近い層を見つけ、ターゲットとして設定すべきである。そしてターゲットにとって有益な情報発信・共感を生む意見の発信を行う。すると自然とフォロワーが増えいき、NFTアート作品の露出をより有効なものにできる。

日常的なSNS投稿

大物YouTuberが、有名になっても毎日投稿を続けるのはなぜか。それは継続的に発信することで、視聴者に「その人の投稿を観ること」が習慣づけられるからだ。SNSにNFT作品を投稿、ないし宣伝するのであれば、この「習慣化」を目指す必要がある。

そして習慣化を狙うのであれば、ただ漠然と時間が空いたタイミングで投稿するだけではいけない。時間を決め、毎日決まったタイミングで投稿すべきである。

例えばターゲットが「ゲームやアニメが好きな20代後半の男性」なら、昼の14時に投稿してもあまり効果がないであろう。彼らがSNSを開くのは仕事から帰る道中だ。となれば、夜18時ごろに投稿するのが効果的である。

統一感によるブランディング

突然だが「ユニクロ」を思い浮かべてほしい。ユニクロのコンセプトは「機能性が高くシンプルな服」を提供することだ。いずれの商品にも通底するこの要素が、ユニクロというブランドイメージを形作っている。

統一感は重要だ。ブランディングの基礎といっても過言ではない。NFTアートの世界でも、統一感によるブランドイメージの構築は有効である。著名なアーティストを例に出してみよう。

例えば、NIKO24氏が手がける「NEO TOKYO PUNKS(ネオトーキョーパンクス)」シリーズでは「横顔イラスト」「サイバーパンクの世界観」が統一されている。

出典:Neo Tokyo Punks NFT - コレクション | OpenSea

他にも、CryptoPunksは「ドット絵」を、BAYCは「猿の絵」を、統一している。これらは「作品の統一感」の例だが、SNSで宣伝する際にも有効な手法である。統一感は、宣伝する上で大いに役立つ。一貫性を持った情報は繰り返し認識される。そして人の記憶に留まりやすくなるのだ。

安易なキャンペーンには乗らない

NFTアートの世界に「楽して儲ける」的な夢を抱いている人は多い。そのような"夢見る"クリエイターをターゲットにしたオンラインサロンがあちこちに発生している。

具体例を出すのは流石に控えるが、SNSでハッシュタグをつけてNFTを宣伝する企画や、NFT購入者にギフトカードをプレゼントするキャンペーンを行うなど、力技で知名度を上げようとするクリエイターも少なくない。そのようなテコ入れでファンと良好な関係を築けるだろうか。もちろん効果がある宣伝方法ではあるが、多用は禁物だ。

いつもいつもキャンペーンを行っていては、築き上げたブランドイメージを崩しかねない。効果的なタイミングを見極め、意義のある方法で宣伝すべきである。

解題により共感を生む

NFTアートは投資の対象でありながら、アート・コレクションとしての側面も持つ。創作物では「何をどのように表現したか」が評価対象になる。少々ナンセンスではあるが、解題することでより多くの人の共感を生むであろう。

見ただけでは分からない、作品に込めた思いやテーマ性、またそれをどのような手法を用いて表現したかを、SNSなどの媒体で発信するのだ。

解題により作品の意義が明確になれば、作者にも興味が向くようになる。継続的に関心を持ってもらうための手段として、解題は宣伝において非常に有効である。

他クリエイターや投資家、ファンとの交流

他クリエイターと馴れ合い、お互いにお互いのNFTアートを買って満足するだけなら避けるべきだが、そうでないのなら積極的にコミュニティに参加すべきである。

意見を交換すれば、NFTアート制作や情報発信についてのアイディアも湧いてくる。そして、何より「生の声」は宣伝に大いに役立つ。自分のNFTアートがどのように見られているのか、またどのような人が見ているのかが理解できれば、そこから宣伝を改善できる。

コミュニティへの参加は、宣伝を見直すうえで非常に重要である。またファンや同業者とのネットワークを構築すればその分拡散力も上がり、SNSなどでより効果的に宣伝することができる。

他のNFTアートと差別化できている点を強調する

NFTアートを宣伝する上で最も重要なのが、他の作品と差別化できている点を以下に強調するかである。その作品群にしかない独自の特徴を見極め、的確な表現で宣伝する必要がある。そこでは宣伝もNFTアートの一部であり、世界観を構成するための手段であると考えるべきだ。

ではその作品群にしかない独自の特徴は、一体どのように見つければよいのだろうか。コモディティ化しやすいNFTアートにおいて、マーケティングにおけるバリュープロポジションのフレームワークは役立つことだろう。

バリュープロポジション

まずは「A:そのNFTアートのターゲットが誰であるか」と「B:そのNFTアートが提供できる価値」「C:競合するNFTアートが提供できる価値」をそれぞれ分析する。次にAとBに共通しておりCに当てはまらない領域、すなわちバリュープロポジションを探る。

売れない!と嘆く前に…NFTアートの宣伝方法を見直そう

NFTアートを積極的に買おうとする一般消費者はまだまだ少なく、それに対して制作する人間は増えてきている。つまりは飽和状態にある。そんな中で、自分のNFTアートが売れる状態へと導くには、宣伝が欠かせない。

宣伝は難しい。自分の作品を分析し、購入してくれそうな層を分析し、競合するアーティストを分析した上で何をすべきかを導き出す必要がある。ただ露出を増やせば良いだけではなく、そこにはロジカルな戦略が必要となるのだ。

-NFT