生成系AI 画像生成AI

【2023年最新版】画像生成AIとは?アプリ・WEBで無料で使える画像生成AI【16選】

ちょっと前までAIというとスピルバーグか歌手かの2択だったのに、ここ最近は生成AIの話題ばかり耳にする。とりわけ画像生成AIの人気ぶりは、もはや社会現象と言っていいレベルだ。SNSを見ていると必ず1日に1回は誰かが話題にしている。

話題になっているとはいえ、実際に使ったことはあるだろうか。正直、触ったことすらないという方もまだまだ多いのではないだろうか。「何でもいいから一度くらい使ってみたい」という方のために、今回はおすすめの画像生成AIを紹介したい。

と、その前にまずは「画像生成AIとは何か」について軽く解説しておこう。

いまさら聞けない!話題の「画像生成AI」とは?

画像生成AIとは、入力されたテキストやデータの通りに画像を自動生成するAIだ。また、画像の特徴を学習し、同じ特徴を持つ新しい画像を生成するものも存在する。いわば希望通りに創作してくれるイラストレーターやカメラマンのようなものだ。

画像生成AIを活用できる領域

画像生成AIの技術はデザイン分野にとどまらず、さまざまな領域で活用されている。

画像生成AIが活用されている分野

芸術・デザイン・ゲーム制作・出版・広告・WEB・建築・医療・製造業など

WEBデザインの分野では、すでに画像生成AIを使った自動化が進んでいる。AIを有効活用すれば、分析したユーザーの好みに基づいてパーソナライズされたデザインを効率的に生成できる。

医療分野でも活用されている?

上記のリストに「医療」が含まれていることに驚いた方も多いだろう。実は医療分野でも画像生成AIが活用されている。例えば、MRIやCTスキャンなど画像を高画質化したり、病状の進行パターンを学習させて治療計画に役立てたりといった活用方法がある。以下の記事で専門的な論文を紹介しているので、詳しい事例が気になる方は読んでみてほしい。

画像生成AIが注目されている理由

ニュースサイトでもSNSでも、話題に上らない日はないというくらい画像生成AIは世間からの注目を浴びている。一体なぜ、そこまで注目されるようになったのだろうか。ここからは、画像生成AIが話題になっている理由を解説する。

理由1:ディープラーニング技術の進歩

画像生成AIが注目されたのは、ディープラーニング技術の進歩に起因する。とくに2014年にGAN(敵対的生成ネットワーク)が登場したことで、その可能性は大きく広がった。GANとは何か、わかりやすく記述している文章があったので引用しよう。

GANとは、一言で表すなら生成器(以後、G)と識別器(以後、D)の二つが互いに敵対的な学習を行うというものです。

Gは生成した画像をなるべく本物に近づけるように、そしてDは入力された画像が本物か、それともGが生成した偽物か精度良く識別するように学習が行われます。

引用:GANの発展の歴史を振り返る!GANの包括的なサーベイ論文の紹介(アルゴリズム編) - AI-SCHOLAR | AI:(人工知能)論文・技術情報メディア

GANの応用により、よりリアルな画像生成が可能になった。この技術がさまざまな業界に広がることで、画像生成AIは次第に注目されるようになった。

理由2:画像生成AIの一般向け公開

画像生成AIはディープラーニング技術の発展とともに注目を浴びるようになったが、それはあくまでもテック界隈に限った話だった。2022年4月にはOpenAI社の「DALL・E2」が、7月にはMidjourney社の「Midjourney」が発表されたが、当時はいずれもベータ版かつ有料であった。

画像生成AIが世間一般に浸透した最も大きな要因は、英国のStability AIが2022年8月に画像生成AI「Stable Diffusion」を一般向け公開したことに端を発する。

It is our pleasure to announce the public release of stable diffusion following our release for researchers [https://stability.ai/stablediffusion]

引用元:Stable Diffusion Public Release-Stability.ai

Stable Diffusionは無料で利用でき、しかも生成画像は商用利用である。使い勝手の良さから世界中の企業がこのサービスに注目した。その結果、画像生成AIは世界的に流行することとなった。

理由3:AIビジネスの市場規模拡大

AIビジネスの市場規模は拡大しており、IDC Japanの調査によると2021年の国内AIシステム市場は2,711億円以上を記録している。

2021年の国内AI(Artificial Intelligence:人工知能)システム市場は、市場規模(エンドユーザー支出額ベース)が2,771億9,000万円、前年比成長率は26.3%になりました。

引用:IDC Japan:国内AIシステム市場予測を発表

さらに、2021年から2026年までの年間成長率は24.0%と予想。5年にして8120億円もの市場規模へと成長する見込みだ。

IDC Japanによる記事「国内AIシステム市場予測を発表」からのグラフ引用。
引用:IDC Japan:国内AIシステム市場予測を発表

このような市場規模の拡大、将来性の高さも、画像生成AIが注目される要因といえる。

ブームのきっかけになった画像生成AI【3選】

画像生成AIは近年ブームになっているが、そのきっかけになったのは前述の「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL・E2」に依るところが影響が大きい。ここからは画像生成AIブームの先駆けとなった3つのサービスの特徴を紹介する。

Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)

画像生成AI、Stable Diffusionのトップ画像

出典:Stable Diffusion — Stability AI Japan

画像生成AIの火付け役ともいえるStable Diffusion。フレーミング調整が簡単にでき、また照明やフィルターなどの設定も思いのまま。自由度・汎用性ともに優れたツールである。なんといっても、無料で使えるのがありがたい。

POINT

生成された画像に対して権利を主張せず、使用権を生成したユーザーに与えるのが特徴。生成画像を自由に使用できる。

Midjourney(ミッドジャーニー)

画像生成AI、Midjourneyのトップ画像

出典:Midjourney

13歳以上であれば誰でも利用できる画像生成Ai、Midjourney。テキストからの画像生成は10分足らずで完了する。機能性が高く、さまざまな用途に使えるのが魅力だ。

POINT

例えばアップロードした画像をもとに構図の似ている画像を作成する機能や、低画質な画像を高画質化する機能が存在する。

DALL・E2(ダリツー)

画像生成AI、DALL・E2のトップ画像

出典:DALL·E 2

ChatGPTを提供しているOpen AIが手がけた画像生成AI、DALL・E2。他の2つ同様、テキストから画像を生成する。また、画像のスタイルも自由に変更できる。

POINT

画像の背景を変更する、生成画像の一部分だけに修正を加えるなど、微調整のしやすさが魅力だ。<

WEB・ブラウザで使える!無料の画像生成AI【おすすめ5選】

画像生成AIをまだ一度も使ったことがない方は、まだまだ多いのではないだろうか。「話題になっているし使ってみたいけど、いきなり有料はちょっと…」などと尻込みすることはない。実は、無料で使える画像生成AIも多いのだ。

ここからは無料で使えるWEBブラウザ用の画像生成AIを紹介する。

Bing Image Creator(ビングイメージクリエイター)

画像生成AI、Bing Image Creatorのトップ画像

出典:Bing Image Creator

Bing Image CreatorはDALL-Eをベースにした画像生成AIだ。Microsoft Edgeのサイドバーに表示され、マイクロソフトアカウントを持っていれば誰でも利用できる。何度か利用しているとブーストが0になり、通常よりも生成速度が遅くなるのがネック。まあ、無料サービスなので仕方ない。ちなみにWEBブラウザだけでなく、スマホアプリ版もリリースされている。

Canva(キャンバ)

画像生成AI、Canvaのトップ画像

出典:Canva

画像の加工や作成に便利なWEBツール、CANVA。その機能の一つとして、最近画像生成AIが追加された。「Text to Image」を使えば、テキストから画像を生成できる。写真やイラスト、コンセプトアート、パターンなど、さまざまなスタイルを選択でき、生成した画像をデザインやコラージュに使用できる。無料ツールとしてはかなり有能だ。

Craiyon(クレヨン)

画像生成AI、Craiyonのトップ画像

出典:Craiyon

CraiyonDALL-Eをベースにした画像生成AIで、キーワードや説明文から画像を生成できる。スタイルやジャンル、タッチが自由自在で、表現力が高いのが魅力だ。WEBブラウザ上で使える無料の画像生成AIとしては最も自由度が高く、かつ高品質なものの一つであろう。ちなみに生成した画像は、利用規約に則っての商業利用も可能である。

DreamStudio(ドリームスタジオ)

画像生成AI、DreamStudioのトップ画像

出典:DreamStudio

Stable Diffusionのオープンβ版としてリリースされたDreamStudio。かなり高品質な画像生成AIで、クオリティの高い画像を自由に生成できる。欠点なのは、無料で使える回数に限りがある点だ。新規アカウントを作成すると25クレジットが付与され、1枚生成するごとに消費される。試しに使ってみてから、課金するか否かを検討するのが良いだろう。

MyEdit(マイエディット)

画像生成AI、MyEditのトップ画像

出典:MyEdit

MyEditはオンライン上で写真の加工やAI画像を自動生成できるWEBツールだ。残念ながら完全無料ではないが、1日5枚までであれば無料で画像生成AIを利用できる。プロンプトは英語に限定されているため、日本人にはやや使い勝手が悪い。アイディアの例文が豊富なので、プロンプト作成の参考にするのがおすすめだ。

アプリで使える!無料の画像生成AI【おすすめ4選】

最近はPCを持たない家庭も少なくない。画像生成AIを使ってみたいが「スマホからだと難しいのでは」と悩む方も多いのではないだろうか。実はスマホでAI生成を簡単に行えるアプリが、いくつかリリースされている。

ここからは無料で画像生成AIを使えるアプリを紹介する。

AIピカソ

画像生成AI、AIピカソのトップ画像

出典:AIピカソ

AI Picasso株式会社が提供するスマホアプリAIピカソは、WEB上の画像生成AI同様、テキストからの画像生成が可能だ。使用できるスタイルが幅広く「いらすとや風」なんてものまである。生成回数の制限はないが、AIアバターなどの機能は有料ユーザー限定となる。ちちなみにStable Diffusionを活用したサービスなので、日本語よりも英語プロンプトのほうが精度が高い。

AIイラストくん

画像生成AI、AIイラストくんのトップ画像

出典:AIイラストくん

AIイラストくんは、LINEアプリ上で使える画像生成AIだ。一時は招待制のサービスだったが、2023年6月より招待コードなしで無料で利用できるようになった。LINEの画面上にプロンプトを書き込み、投稿すると数十秒ほどで画像が生成される。無料利用は1日3回までなので、たくさんの画像を生成したい場合には有料プランを契約する必要がある。

Meitu(メイツ)

画像生成AI、Meituのトップ画像

出典:Meitu

いかにも女子ウケしそうな画像の加工・編集アプリのMeitu2022年よりAI機能が追加された。写真のイラスト化と、プロンプトによる画像生成が可能だ。また生成した画像は写真補正機能で自由に加工することができる。もともと写真加工用のアプリなだけあって、編集機能が豊富なのが魅力だ。

Picsart(ピクスアート)

画像生成AI、Picsartのトップ画像

出典:Picsart

画像や動画を編集できるアプリ、PicsartAI画像ジェネレーター機能が追加され、テキストから画像を生成できるようになった。また、AI背景、AIGIFジェネレーターなんてものまであり、いずれも無料で制限なく利用できる。画像を編集・加工する機能も豊富。作った画像をそのままデザインに活用できる。

有料の画像生成AI【おすすめ4選】

ここまで無料で使える画像生成AIを紹介してきた。無料でもクオリティは充分高いが、回数や利用の制限がネックといえよう。有料の画像生成AIであれば制限なく、自由に画像を作ることができる。

ここからは有料の画像生成AIを紹介する。

NovelAI Diffusion(ノベルエーアイディフュージョン)

画像生成AI、NovelAI Diffusionのトップ画像

出典:NovelAI

NovelAIは名前の通り、文章を生成するAIだが、最近イラストを生成する機能が追加された。イラスト生成AIとしてかなりクオリティが高く、小説の挿絵のような高品質なキャライラストを生成できる。料金プランは$10/月から。最も安いプランでも200回程度のイラスト生成が可能だ。

NightCafe(ナイトカフェ)

画像生成AI、NightCafeのトップ画像

出典:NightCafe

画像生成AIを使うにはプロンプトの作成が不可欠だ。しかし、これにはコツが要る。NightCafeでは他ユーザーが作成したプロンプトを閲覧できるので、AI生成の初心者でも高品質な画像生成が可能だ。基本的には有料のサービスだが、毎日午前0時に5クレジットを受け取ることができる。無制限に使いたいのであれば課金は必須だ。

PhotoDirector(フォトディレクター)

画像生成AI、PhotoDirectorのトップ画像

出典:PhotoDirector

2023年7月のアップデートより、画像生成AIを使用できるようになったPhotoDirector。もともと写真・画像編集のアプリなだけあって、アニメーション化やコラージュ作成などさまざまな機能と併用できる。便利なサービスだが有料なので注意が必要だ。無料トライアルもあるので、気になる方は試してみてほしい。

YouCam Perfect(ユーカムパーフェクト)

画像生成AI、YouCam Perfectのトップ画像

出典:YouCam Perfect

YouCam Perfectも画像編集アプリだ。最近、アップロードした画像からイラストを生成する機能が追加された。AIアバターと呼ばれる機能で、写真をイラスト化することができる。アプリ自体は無料で入手できるが、AIアバター機能は有料コンテンツとなっている。

画像生成AIの問題点と将来

画像生成AIによるリスクとして、画家やイラストレーター、デザイナーへの知的財産権の侵害が指摘されている。作風の模倣などの悪用も報告されており、クリエイターの利益を阻害する可能性がある。

日本国内でもイラストレーターから作風の盗用を危険視する声が上がっている。こうした動きを受けて、イラスト投稿サービスのPixivは、サービス共通利用規約・ガイドライン類の改定を発表した。

詳細な表現は変更となる場合がございますが、作品制作過程に関わらず下記のような悪質な行為は利用を制限させていただく予定です。

・運営者、他のユーザー、その他の第三者になりすます行為、またはそのように誤認されるおそれがあると当社が判断する行為
・特定のクリエイターの画風・作風を模倣した作品発表を、反復・継続して行うことで、当該のクリエイターの利益を不当に害すると当社が判断する行為
・特定のクリエイターの画風・作風を模倣した作品発表を幇助するツール等を配布・販売することで、当該のクリエイターの利益を不当に害すると当社が判断する行為

引用元:サービス共通利用規約・ガイドライン類改定の事前のお知らせ

現在の法律ではAIによる学習が合法とされており、無断学習が横行しているのが現状だ。

また、今後さらに技術が進歩すれば、偽の画像やディープフェイクの作成が容易になることも予想される。画像生成の精度が上がるほどに、誤情報の拡散を引き起こすリスクがある。

ちなみにAIが誤情報を吐き出すことを「ハルシネーション」という。ハルシネーションについてはこちらの記事で詳しく解説している。

終わりに

さまざまなデザインや広告だけでなく、医療などさまざまな分野での活用が進む画像生成AI。気軽に使える無料サービスも増え、一般ユーザーも自由に利用できる。今後技術の進歩により、さらに高品質な画像が生成できるようになるであろう。しかし、著作権の侵害や倫理的な問題など、課題も多い。品質向上とともに、利用する人間のリテラシーや諸問題への対策も求められるであろう。

-生成系AI, 画像生成AI
-